食品偽装を見破ってみた

巷にあふれる食品偽装をプロの目から見破ってみました

1分でわかる食品表示の基本ルール

皆さんは食品表示のルールを勉強したことがありますか?

重量順で記載?食品添加物は?そもそも名称なんてわからない?

などなど、なんだか聞いたことはあるけど細かくは知らないというのが実情だと思います。私も食品メーカーで働いていなければ知ることもなく、日常生活を送っていたと思います。また、調べようと思っても、法律って簡単なことを難しく書くことに神経を注いでいるのかと疑いたくなるくらいに、難しい言葉で記載されているために、一度読んだくらいでは全く内容が理解できません。

そこで、私がサラリーマン生活で身に付けた1分でわかる基本ルールを紹介いたします。

 

食品表示の基本ルール、それは・・・

❶重量の重い順から記載する(※水は除く)

❷食品素材と食品添加物素材は分けて記載する

❸各々の名称は一般名称で記載する(※例外多数あり)

の3点になります。実際は、業界内での自主ルールなどが多数あるため、完璧に理解するには3つでは足りませんが、消費者視点で考えるとこの3つで十分です。

 

どうですか?3つのルールなら1分で覚えられたと思います。

では、実際の商品の食品表示を見ながら簡単に説明したいと思います。

下の図は、イオンで販売されているミートレスハンバーグの食品表示になります。ものすごく綺麗な表示なので説明にぴったりだと思い、ピックアップさせていただきました。

 

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食品表示サンプル

 

図の真ん中あたりにある原材料名というのが肝心の食品表示になります。

まずは❶のルールに則って分解すると、粒状大豆たん白が最も多く入っており、次いでソテーオニオン(炒めた玉ねぎです)、トマトペースト(ペースト状のトマトです)と続きます。次に❷のルールになりますが、食品素材と食品添加物素材が一目でわかるように区別しなければならないといるサブルールがあります。今回の図でいくと、『さとうきび抽出物/調味料(アミノ酸等)』の『/』の部分に注目です。この『/』は、『/』の前までが食品素材、後ろが食品添加物素材ですよ、という印になります。まれに違う方法をとっていることもありますが、スーパー等では大抵この記載方法をになっていると思います。『/』であれば一目でわかるので、間違いようがなく消費者も理解しやすいです。

 

ここまで読み進めた段階で、もう一度❶に戻ります。『/』の前が食品素材のため、食品素材で考えると❶のルールにより粒状たん白が最も多く、さとうきび抽出物が最も少なく入っていることになります。そして、食品添加物素材では、調味料(アミノ酸等)が最も多く、ビタミンB1が最も少なくなります。さとうきび抽出物と調味料だとどっちが多いの?という質問が聞こえてきそうですが、ケースバイケースで食品表示からはわかりません。ただ、食品添加物は厳しく入れることができる量を決められているので、大抵の場合、食品素材よりも少なくなるケースが多いと思います。

 

以上でほぼ食品表示のルールはクリアしました。

 

って、❸は?と思われると思います。❸がある意味一番重要なのですが、ある意味重要でもない部分になります。食品メーカーらしく一般名称と専門用語を使いましたが、簡単にいうと一般的に使用される名称を使いなさい、ということです。例えば、ある砂糖メーカーが自社商品に「これとってもあまーくなーる」という商品名をつけていたと思います。でも、消費者はこの商品名を見ても砂糖とはわからないですよね。そこで、この商品を使っていても食品表示上は砂糖って書きなさいというのが❸のルールになります。

 

いかがでしたでしょうか?

これで読んでいただいた方も食品表示のプロに近づいたと思います。実際に、この❶~❸を知っていれば、食品表示から見破ることができる食品偽装の大半を見破ることができるようになります。「食品表示から見破ることができる食品偽装」と、少しわかりにくい書き方をしていますが、この辺りは今後、実例を用いながら説明していきたいと思います。